狙い
狙い方

 

ビリヤードのテーブル上で起こっている現象は全て物理的に説明できます。
プロが見せる華麗なスーパーショットも、 初心者がフロッグで起こした不思議なミラクルショットでも、全てがひとつひとつの単純な物理的要素が組み合わさり起こっています。

入れようとしているポケットに的球を走らせるためにはこの物理的現象を利用するわけです。
ある方向に的球を走らせるために手球をぶつけるポイントは一つしかありません。そのポイントを見極めるのが狙いです。

ここでは手球が的球に当たったときに起きるごく基本的な物理的現象を交えながら的球をポケットするための狙いを解説します。

なお、ここではラシャやボール同士の摩擦などの細かいファクターについては考慮していません。
あくまで球体同士がぶつかったときの基本的な物理的現象について書いてあります。摩擦等のその他の要素については別項で触れています。

ちなみにわたしは物理がニガテです(汗)

左図を見てください。
ビリヤードの的球と手球はそれぞれ同じ大きさ、同じ質量の完全球体です。またそれぞれ無回転の状態とします。

この時、完全に停止しているBの球体に運動エネルギーを持ったAの球体が0°の角度でぶつかった場合、Aの運動エネルギーはAからBへ100%移動し、Bはそれぞれの中心点を結んだ延長線上に移動します。そしてAはその場で停止します。

これがストップショットの原理です。

そしてBが的球、Aが手球だとすると、この矢印の方向にポケットがあれば的球がポケットされるわけです。



では手球Aが角度を持ってぶつかった場合はどうでしょうか?それが左図です。

的球Bに手球Aが手球A'の角度でぶつかったとします。
この時、的球Bがぶつかった手球A'と中心点を結んだ延長線の方向(α)に進むのは上図と同じです。しかしAの持っていた運動エネルギーは100% Bには伝わらず、手球A'と分散します。

そのため、手球A'はBとA'の中心点の延長線に対し90°の角度(βの方向)に進みます。

つまり的球に対して手球が真っ直ぐでも、角度をもっていても、手球をぶつける位置が同じであれば的球の進む方向は同じ、つまりAがどの位置にあっても、左図のA'の位置に手玉を当てれば、的球はαの方向へ進むというとになり、このαの方向にポケットがあれば的球はポケットに落ちるわけです。
プレーヤーはこの物理を基本として的球を入れながら次のポジションへ手球を移動させるのです。


右図が実際のテーブル上の模様です。
図中のグレーの球が上図のA'にあたり、実際にはないイメージ上のボールです。これがイメージボール(イマジナリーボール)というモノです。
このイメージボールの位置に手球を正確に運ぶことが出来れば的球がポケットされるわけです。
狙うことに慣れてくると、このイメージボールと実際の的球との重なり具合である"厚み"(的球と手球の重なり具合)で狙うようになってきますが、このイメージボールをパッと想像出来るようになることが狙いの基本です。

よく初心者どうしで、少し撞いたことのある方が、「この辺に当てて」と的球のどの辺に当てるかを指さしていますが、あれでは撞く方は正確なポイントを狙うことは出来ません。的球が入ったとしても狙いではなくまぐれの範疇です。

それよりも中心点を結んだ延長線上に的球が進む物理法則とイメージボールを置きそこに向かって真っ直ぐに撞くことを教えてあげれば、次からは「ここ!」なんて指ささないでもひとりで狙いがつけられるようになるはずです。

また経験者が初心者に指導する場合は、実際に他のボールをこのイメージボールの位置に置き、その的球に向かって真っ直ぐに狙をいつけさせてから、撞く前にそのボールをどけるようにすればよりイメージが沸きやすいと思います。

(的球を直接ポケットに狙える角度)

上記のように手球がどこにあってもイメージボールの位置に手球が当たれば的球を直接ポケットに狙えるわけですが、このイメージボールの位置に直接手球を当てるには角度に限界があります。

それは狙うポケットにたいして 的球と手球が90°以上の角度にないといけません。
90°以内に手球があると直接このイメージボールの位置に手球を当てる事が出来ないためです。

どうしてもこのポケットに的球を狙いたい場合は、一端手球をクッションに当ててからこのイメージボールの位置に運ぶか(空クッション)、的球をクッションの反射からポケットに入れる(バンクショット)しかありません。当然どちらも直接狙うより難易度が増します。

このようにビリヤードでボールをコントロールする基本概念はごく簡単な物理でしかありません。
もちろん今後もっと複雑なショットをするには、手球の回転や的球の回転、摩擦、クッションの反射角等いろいろな物理を考慮することになりますが、それは上記の基本的な物理に応用していくだけです。

この原理さえ知っていれば今まで漠然と的球に当てるだけだったビリヤードが、明確な意図を持って狙えるビリヤードになります。友達とたまに撞くだけでもこういった理屈を知って的確に狙っていけば、一目置かれるのは間違いないですよ。


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