ナインボール
ブレイクショット

 

ひとくちにブレイクショットといっても色々なブレイクがあります。
ナインボールやエイトボールでは必ずラックされたボールを散らす目的から「オープンブレイク」が採用されています。 14-1ラックやワンポケットなどでは戦略上、最初にブレイクで的球を散らすとかえって不利となってしまうため、「セーフティーブレイク」という軽く撞いてラックをコントロールするブレイクが認められています。

ここでは、みなさんも目にすることが多いであろうナインボールでのパワフルな「オープンブレイク」について説明していきます。

このブレイクショットというのは、特にナインボールなどではゲームの勝敗にも大きく関係する非常に重要な要素を含んだショットです。

初心者の人はブレイクショットというと「腕力がいる」というイメージが強いのではないでしょうか。
上級者が見せる強力なブレイクショットは力があるからと思われがちです。初心者のブレイクを見ていると、力一杯撞こうとして力んでしまうため、かえってちゃんと必要な”動作”が出来ず、ラックが割れないために難しいといった印象をもってしまうようです。とくに女性は最初のうちはブレイクをやりたがらない人が多いようです。

良いブレイクを撞くのに力はあまり関係ありません。それこそ華奢な女性でも十分強力なブレイクを放つ人がいます。強力なブレイクを撞くのに「アッコ The 和田」になる必要はありませんので女性の方も安心してください。

始めたばかりの初心者同士のナインボールなどで、(少なくとも見た目では)ちゃんと1番に厚く当たっているのに2,3コしか散らばらずにラックした場所に的球が固まったままということがよくありますが、これは殆どの場合ラックがちゃんと密着して組まれていないのが原因です。つまりラックを組んだ人が悪いのですが力がないからラックがちゃんと割れなかったと思ってしまうためにブレイクの苦手意識が生じてしまったりするんです。

ラックを組むときは出来る限りそれぞれの的球を密着させなければいけません。最低でも1番を先頭に前の3コは密着させておかないと的球が散りにくくなってしまいます。また2列目と3列目にも隙間があるとやはり割れにくくなります。(図1)

図1:図のAやB(反対側も同様)に隙間があるとラックが割れにくくなります。 図2:図のCの部分(反対側も同様)に隙間があるとそちらの方向に9番が進みやすくなります。

ここが肉眼で見てわかるぐらい球と球の間に隙間がある場合はチェックして組みなおしてもらいましょう。(ラックをチェックするのは正当な権利です。)

あとナインボールの場合、自分がラックを組むときにもう1点気をつけなければいけない点としては後ろの3コです。(図2)
ここに隙間があるとブレイクエース(ブレイクで9番が入ること)が出やすくなってしまいます。
つまり、前3コは相手へのマナー、後ろ3コは自分を守るためにきっちりと組んでください。そのほかの部分についても即死球等が出来ないように、目に見えて隙間が出来てないかなどを確認して正しいラックを組めるようにしておきましょう。

さて、上記のようにちゃんと正しいラックが組めていることを確認したら、ブレイクエリアの好きなところからブレイクしてみてください。その際気をつける点として、まずはブレイクだからといっておもいっきり撞くという意識は捨て、通常のショットで少し早くキューを振る感覚で、真っ直ぐ(100%の厚みで)手球を1番に当ててみてください。
この時の撞点は中心撞点です。
体も体重移動したりせず、あくまで力まず、普段のショットを少しいつもよりキューを振るスピードを早くする感覚で結構です。
あくまで中心撞点で正確に1番に対して100%の厚みで当てるように気をつけるだけで力任せにキューを振るのではなく、力を抜いてキューを素早く振るという意識をもってください。

どうでしょう、真っ直ぐ(100%の厚みで)1番に当たっていれば、ハードなブレイクとはいかなくても、十分その後のプレイに支障がないぐらい綺麗に的球が散っているはずです。

そしてこの時手球の中心を正確に撞いていれば、手球は他の的球にはじかれない限りテーブルの中央あたりに止まっているはずです。こうしてテーブルの中央に手球が停止していれば、取り出しの的球がテーブルの何処にあっても高い確率で狙っていけるはずです。

今まで力任せにブレイクして結果1番に正確な厚みでヒットしなかったり、時には1番にヒットさえせずにファールになっていた人は上記のブレイクを試してみてください。ブレイク後のテーブルは結果的にいい状態になっているはずです。

ラックがちゃんと組まれていて、先頭の1番に厚く当てることが出来れば、そんなに力を入れて撞かなくても的球はちゃんと散ってくれるのです。

そして次の段階として、やっぱり上記の方法じゃあまり的球が走らないし、そのためブレイクでポケットする確立が低いよ、という場合はどうするのでしょう。
その時考えるのは、上記に腕力をプラスするのではなく、キューのスピードを増すのだと考えてください。

ビリヤードでのハードショットとは力を入れたショットではなく、キュースピードを増したショットなのです。

ブレイクに適したキューの重量は重いほうが良いのでしょうか、軽い方が良いのでしょうか?
初心者は重いほうが良いと考えがちです。確かにブレイクに必要なのがパワーであれば重いキューの方が有利に思えます。しかし、この重さには個人の好み等もありますが、ブレイクキュー専用としてキューを買うぐらいの人は大抵、通常のプレイキューより軽いキューを選びます。プレイキューの平均が19〜19.5oz(オンス)だとしたら、ブレイクキューの平均は18.5〜19ozぐらいでしょうか。これは重いキューより軽いキューの方が無理なく早く振れるからです。

つまり重いキューでキュー自体の比重を増すより、軽いキューでキュースピードを早くする方が有効だということです。

あとブレイクに限らず、ビリヤードのショット全てにおいて必要なのが「タイミング」です。
言葉では表現しにくいのですが、自分が想像しているインパクトの瞬間と実際のインパクトの瞬間にずれがあると、上手く手球に意思が伝わりません。特にブレイクではタイミングがずれると手球に最大限のパワーを与えられずに当たり損ねのブレイクになったりします。

ブレイクに必要な要素は「1番に真っ直ぐ(100%の厚みで)当てる」「正確に手球の中心を撞く」
「キューのスピードをあげる」。そしてそれらを可能にするのが「タイミング」であり、上級者が見せる体重移動しながら全体重をぶつけていくようなフルパワーのブレイクは上記が上手く出来るようになってから初めて出来ることで、上記のブレイクでも十分ゲームに支障がないブレイクを撞くことができます。

上級者が見せるパワーブレイクはビリヤードでは特殊なショットで、通常のプレー中のショットではタブーになっている体重移動なども伴います。これも決して筋力ではなく、最大限のキュースピードに全体重を乗せていくためのタイミングとそれを行なっても手球のコースや撞点が狂わない正確なキュー出しが必要なのです。
これは練習あるのみです。

(サイドブレイク

現在ナインボールで主流になっているのがこのサイドブレイクです。

※動画を観るには Microsoft Windows Media Player(無料)が必要です。
Microsoftのホームページよりダウンロードしてください。

※ Macの方はこちらをダウンロードしてください。
Mac OSX10.1.5以上+ Windows Media Player 9 For Mac OSXでご覧いただけます。
(Mac OS9では観れませんm(_ _ )m

サイド・ブレイクのムービー
ブレイク・エース!

asf動画ファイル20秒
ファイル容量:779KB

上図のようにテーブルの中央よりではなく、長クッション際に手球を置きブレイクします。通常ブレイクでは何かの的球を意図的に狙うのは大変難しいのですが、唯一このサイドブレイクでは高い確率で先頭の1番をサイドポケットに狙えます。実際にはある程度きちんとしたラックが組まれてないと難しいのですが、上級者はラックの状態を見て微妙に手球を置く位置を調整したり、テーブルの右から撞くか、左から撞くかを決めて狙ってきます。

ナインボールは的球の数が少ないため、上級者であればブレイクでひとつでも的球が入って、散った的球にトラブルが無ければマスワリ(ブレイクから9番まで1人で取りきる)が出る確率はかなり高くなります。

そのために最近では敢えてパワーを押さえ、コントロールを重視したブレイクをする人も増えています。

また、いくら上級者といえども、ブレイク後のテーブル上の配置というのは多分に偶発性を伴い、完璧にテーブル上の配置をコントロールするのは不可能です。
この時テーブル上にトラブル(的球同士が完全に接して停止し、そのままではポケットに狙えないなど)があれば一気に取りきる確立が下がります。

プロの中にもナインボールの勝敗は70〜80%はブレイクで決まる。なんて言う人もいます。わたし程度のレベルでも、ブレイクで3コぐらい的球が入り、その後の配置が良ければマスワリを狙いにいける(狙えるというだけで実際にマスワリできるかは、また別のお話し・・・)わけですからブレイクとは非常に大切なショットなのです。

今まで苦手意識で友達にブレイクを譲っていた人は少し練習して嫌がらずにブレイクをしてみてください。
ゲームの勝率が少し上がるかもしれませんよ。


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