スキット
スキッド

 

スロウと同じ摩擦による的球のコースのズレでも予測しづらいのがスキッドと呼ばれるものです。

ビリヤードのボールは、使用しているとチョークなどが表面に付着し、どんどん汚れてきます。

この汚れなどによりボール同士が接触した部分に摩擦が生じ、それによって的球の進むコースにズレが生じるのがスキッドです。

例えば、左図のように手球をAの方向に向かって撞き出し、aの部分で的球と接したとします。

この時的球はお互いの中心点を結んだ延長線上のBに進むはずですが、aの部分に大きな摩擦が生じると、手球が動く方向に引っ張られるようにCへコースがズレてしまうのはスロウの項で説明したとおりです。(図はオーバーに表現しています。)

この時、aの接触点にたまたまチョークの跡などが付着していた場合、ボール同士の摩擦が大きくなって、スロウなどのズレよりも大きく的球のコースがズレる場合があります。こういった不可抗力で的球の進行方向がズレてしまう現象をスキッドと言います。

時には肉眼でも確認できるほど大きく的球がズレる場合もあります。

ちゃんとチョークを使ってビリヤードをしている場合、1時間ほど撞いた手球をよく見てみてください。
手球に青いチョークの跡がハッキリと付いている個所があったりします。
たまたまこういった部分が的球に接触すると、その個所には大きな摩擦力が生じて、スキッドが発生してしまうことがよくあります。

右図で黄色い的球に対し、Aの角度で手球を撞いたとします。
的球とポケットの位置がこれぐらい近ければ、さほどスロウの影響を気にしないでも的球はポケットされるのですが、手球がAに当たったとき、摩擦によりスキッドが起こると、的球は手球の進行方向Bへ引っ張られるようにコースをズラして b へ進んでしまいます。

そのため、この距離でも外してしまうようなことがありえます。

スキッドは不可抗力とも言える部分なので、予測するのは難しいのですが、ある程度対処することはできます。
ビリヤード場では、通常お客さんが使い終わる度にボールをきれいに磨いて、チョークのかす等を落とします。
しかし、また使用しているとすぐにチョークなどが付着して汚れてきます。
つまりプレイを続けるほどスキッドが起きやすくなってきます。
そうやってスキッドが起きやすくなってきたときは、可能な限りこういった不可抗力に対応できるような撞き方をすることで、スキッドでのミスを回避できる可能性があります。

例えばポケットにはボール2個分ほどの余裕があります。
スキッドが出そうだなと感じた場合は予めポケットの反対側の端ぎりぎりを狙うようにしてやれば、スキッドが生じた場合でもポケットの余裕分で救われるといった具合です。

スキッドの出方によってはそれでも対応しきれない場合もありますが、幾らかは外す可能性を下げられると思います。

またプールゲームのルールのページで書いた、「的球を撞くのはやめましょう」というのはこういったスキッドが出る要素を極力無くすといった意味でもあります。

最近よく見かけるのが、ビリヤード場に来るとゲームをする前に練習がしたいのか、まずボールを全てテーブル上にバラまき、一緒に撞く人同士2,3人が同時にひとつのテーブルについて的球をバンバン直接ポケットに向けて撞いて落としている人がいますが、あれでは大して意味がありません。

先述したようにポケットにはボール2個分の大きな余裕があります。
そんなところに直接的球を放り込んだところで全く練習にはなりません。
というか逆にショットの感覚を曖昧にしてしまいかねません。
その上、的球を必要以上に汚してスキッドなど後のプレイに支障をきたす要素を増やすことになります。

もし一人ずつちゃんとウォーミングアップする時間が無いしカッタルイというのであれば、取りあえず的球を全てバラまいて、その台でプレイする人が順番にちゃんと手球を撞いて的球を1個ずつ落とすようにしましょう。
そのとき均等に撞けるように入っても入らなくても1球撞くごとに次の人に代わります。

落とす的球はどれでも構いません。
手球が止まった位置から一番狙いやすい的球を落とせばいいのです。
もしそれでもポケットできない場合は手球を取ってフリーボールにしてしまっても構いません。
自分の前の順番の人が撞く撞点やコース、ショットスピードを見て、手球の停止位置を予測しながらその位置へ先回りするようにしても面白いかもしれません。

全部フリーボールにしてしまえば、初心者でも15個すべて落とすのにものの5分もあれば足りるでしょう。
それでいて、的球を直接ポケットに撞き落とすよりもちゃんとしたウォーミングアップになります。

ウォーミングアップもこういったゲーム感覚で行うと楽しいと思いますよ。


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